㈼−3−4
予防療法はいつまで続ける必要があるのか

 

推奨
予防療法の効果判定には少なくとも 2 ヵ月を要する.有害事象がなければ 3 〜 6 ヵ月は予防療法を継続し,片頭痛のコントロールが良好になれば予防療法薬を緩徐に漸減し可能であれば中止することが勧められる
推奨のグレード
B  
 

                                                          

背景・目的

急性期治療のみでは生活上の支障を十分に治療できない場合に予防療法が行われ,予防療法のゴールは 1) 発作頻度、重症度と頭痛持続時間の軽減, 2) 急性期治療の反応の改善により, 3 )生活機能の向上と,生活への支障の軽減である.このゴールが達成された場合には予防薬の減量や中止が考慮される.

 

解説・エビデンス

予防療法の継続期間や漸減中止を考慮する目安は,予防療法を行う前の頭痛による障害の程度にもより,一律には決めることができないが,これまでに刊行されたガイドラインでは予防療法を最低 3 ヵ月は継続し,頭痛が月に 1 , 2 回以下が 2 ヵ月以上続くようになれば,漸減中止する 1) ,頭痛頻度と程度が治療前の 50 %以下を目標に治療しこれが達成できれば数ヵ月は継続しその後,緩徐に減量 2) , 6-12 ヵ月の予防治療の後に継続の要否を判定 3) ,治療ゴールに到達し安定した後に漸減中止 4)-6) ,予防療法が奏功すれば 6 ヵ月〜 1 年は継続し,その後, 3-6 ヵ月以上かけて漸減し,発作の頻度が再び増加する場合は同じ治療を再開 7) などの勧告がなされている.
片麻痺性片頭痛や,脳底型片頭痛,遷延性前兆を伴う片頭痛,片頭痛性脳梗塞など,重大な神経障害をおこすおそれのある特殊な片頭痛における予防療法を行っている場合の継続期間や中止時期に関するエビデンスは不足しているが中止に関してはきわめて慎重に行うべきである.

 

参考文献のリスト

1) Guidelines and recommendations for the treatment of migraine. Italian Society
  for the Study of Headache (SISC). Funct Neurol 1993; 8(6):441-446.
2) Pryse-Phillips WE, Dodick DW, Edmeads JG, Gawel MJ, Nelson RF, Purdy RA
  et al.
Guidelines for the diagnosis and management of migraine in clinical practice
  . Canadian Headache Society. CMAJ 1997; 156(9):1273-1287.
3) Guidelines for the management of headache. Danish Neurological Society and
  the Danish Headache Society. Cephalalgia 1998; 18(1):9-22.
4) Silberstein SD. Practice parameter: evidence-based guidelines for migraine
  headache (an evidence-based review): report of the Quality Standards
  Subcommittee of the American Academy of Neurology. Neurology 2000;
  55(6):754-762.
5) Ramadan NM, Silberstein SD, Freitag FG, Gilbert TT, Frishberg BM. Evidence-
  based guidelines for migraine headache: pharmacological management for
  prevention of migraine. Online Pub 2000.
6) 慢性頭痛治療ガイドライン作成小委員会,坂井文彦,荒木信夫,五十嵐久佳,
  濱田潤一,作田学,平田幸一,鈴木則宏,竹島多賀夫,山根清美,若田宣雄,
  岩田誠,中島健二.
日本神経学会治療ガイドライン 慢性頭痛治療ガイドライン
  2002 .臨床神経  2002 ; 42 ( 4 )  330-362 .
7) Geraud G, Lanteri-Minet M, Lucas C, Valade D. French guidelines for the
  diagnosis and management of migraine in adults and children. Clin Ther 2004;
  26(8):1305-1318.

 

検索式・参考にした
二次資料

予防療法 1 の検索式と同様