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緊張型頭痛にはどのような分類があるか

 

推奨
緊張型頭痛の分類は 1962 年以降幾つかの分類が提唱されてきたが, 2004 年に公開された国際頭痛学会分類 改訂 2 版( ICHD- II 分類)に基づいて分類することが推奨される.
推奨のグレード
A  

 

背景・目的

緊張型頭痛の分類に関する EBM に立脚した指針は少ない.一方,近年,診療・治療方針に関して 基本的な指針 となる診断分類は重要であることは議論を待たない.この新しい ICHD-II 分類は,単に分類学に基づいたものではなく,診断・治療についてあらゆる側面から科学的かつ実際的に検討されたものであり,その歴史と頭痛分類の概略を示す.


解説・エビデンス

頭痛のなかで緊張型頭痛の罹患率は,様々な調査で一般集団における生涯有病率は 30 〜 78 %の範囲とされており,機能性頭痛のなかで最も多いと考えられている.これはまたすべての疾患のなかで最も多いもののひとつであり,実際,実地医家における診断・治療の重要性は非常に高いものといえる 1)
緊張型頭痛の分類としてほぼ初めてといっていいと思われるものはすでに四半世紀以上前になる 1962 年,米国 2)NIH の Ad Hoc 委員会により発表された .これは「片頭痛型血管性頭痛」や「筋収縮性頭痛」などのように頭痛を病態生理学的観点から分類し,当時は画期的な分類として受け入れられた.しかし,この分類では第 1 に頭痛を疾患単位・病態に断定して分類しようとする矛盾があること,第 2 に頭痛の典型例の記述はあるものの各頭痛の診断基準は各利用者に任されたもので,科学的でないと指摘があげられるようになった.
一方,近年では診療,とりわけ治療方針に関してのガイドラインの重要性が唱えられるようになり,医療の標準化という観点からもその進歩は著しい.これに呼応して,わが国でも,日本神経学会により独自の慢性頭痛治療ガイドライン 3) が整備された.時をほぼ同じくして, 1988 年の国際頭痛学会分類改訂初版 4) 以来約 15 年の時を経て 2003 年ローマで公開された国際頭痛学会分類改訂 2 版( ICHD- ㈼)は, 2004 に cephalalgia で発表され 5) ,正式に ICHD- ㈼分類 (2004) となった.この分類は,単に分類学に基づいたものではなく, Evidence の高い論文を充分に吟味した,診断,治療についてあらゆる側面から科学的かつ実際的に,記述されたものであり,そのお勧め度は高い.以下に緊張型頭痛の項を抜粋してその分類を示す.

2. 緊張型頭痛
2.1 稀発反復性緊張型頭痛
 2.1.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う稀発反復性緊張型頭痛
 2.1.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない稀発反復性緊張型頭痛
 
2.2 頻発反復性緊張型頭痛
 2.2.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う頻発反復性緊張型頭痛
 2.2.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない頻発反復性緊張型頭痛
 
2.3 慢性緊張型頭痛
 2.3.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う慢性緊張型頭痛
 2.3.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない慢性緊張型頭痛
 
2.4 緊張型頭痛の疑い
 2.4.1 稀発反復性緊張型頭痛の疑い
 2.4.2 頻発反復性緊張型頭痛の疑い
 2.4.3 慢性緊張型頭痛の疑い


参考文献のリスト

1) 平田幸一,竹島多賀夫: EBM に基づく慢性頭痛の治療.神経研究の進歩,
  2002; 46 : 413-430 .
2) Ad Hoc Committee on Classification of headache: Classification of headache.
  JAMA 1962;179 : 717-718 . .
3) 慢性頭痛治療ガイドライン作成小委員会,坂井文彦,荒木信夫,五十嵐久佳,
  濱田潤一,作田学,平田幸一,鈴木則宏,竹島多賀夫,山根清美,若田宣雄,
  岩田誠,中島健二.日本神経学会治療ガイドライン 慢性頭痛治療ガイドライン
  2002 .臨床神経 2002 ; 42 ( 4 ): 330-362 .
4) Headache Classification Committee of the International headache Society:
  Classification and diagnostic criteria for headache disorders, cranial neuralgias
  and facial pain. of headache. Cephalalgia 1988; 8 (Suppl 7): 1-96.
5) Headache Classification Committee of the International headache Society:
  The international classification of headache disorders, 2nd edition.Cephalalgia
  2004;24 (Suppl 1):1-150.



検索式・参考にした
二次資料

検索式: 緊張型頭痛と 分類,歴史
PubMed 検索: 2004/11/25
tension type headache
1155
& classification 228
& history 110
(但しすべてで有用な文献なし)