片頭痛の保険加入拒否問題についての見解


平成24年5月1日

日本頭痛学会会員各位

 

片頭痛の保険加入拒否問題についての見解

 日頃日本の頭痛医療に並々ならぬご尽力をいただきまことにありがとうございます。
  かねてより片頭痛患者の生命保険加入問題について活動してまいりました。
まず日本の生命保険会社の団体である保険協会に働きかけました。同協会から「片頭痛患者の保険加入については各保険会社に指導できる立場ではない」というお返事をいただきました。
  そこで疾病の保険加入について意見を具申しているであろう日本保険医学会に申し入れを行いました。同医学会から平成24年3月15日付けで「片頭痛の罹患を原因として生命保険への加入を拒否される事実はないと認識している」というお返事をいただきました。

 これらのコレスポンデンスを通じてわかったことは、以下の各号です。
1. 生命保険会社が全体の方針として片頭痛患者の生命保険加入の制限していることは
  なさそうである。
2. 各生命保険会社の方針として加入に制限を加えているということもなさそうである。
3. しかし現場の判断で個々の症例ごとに片頭痛の通院を問題視する事例はある。
4. その場合も片頭痛をとくに問題のある疾患ととらえているのではなく、通院・治療中という
   ことを神経質にとらえているようである。

 今後の対策としては、片頭痛患者が保険加入に難色を示された場合は、下記の各号の対応をとるのはいかがかと考えました。
1. 日本頭痛学会としては片頭痛を保険加入に支障がない疾患と考えている。
2. 保険団体も片頭痛は加入に問題があるという見解は示されていない。
3. 以上を患者から保険担当者に伝えていただく。
4. それでも加入に問題視されるの場合は「片頭痛で通院加療中であっても健康上の問題は
   ない」旨の診断書を発行する。

 しばらくはこの方針を会員にお伝えし、成り行きを見守りたいと思います。個々の拒否事例が持ち上がった場合には、生命保険加入問題事例を日本頭痛学会事務局にメールでご報告いたきたく存じます。報告時には集計の都合上別添の「事例報告フォーマット」をご使用いただけると好都合です。これらの事例の情報集約と分析を行ったうえで、あらたな行動を起こしたいと考えております。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

生命保険加入拒否事例報告書

 

日本頭痛学会診療向上委員会委員長 山根清美
社団法人日本頭痛協会 代表理事 間中信也