日本頭痛学会ニュースレター19号 2015年1月 新春号

  1. 日本頭痛学会代表理事 鈴木則宏先生よりご寄稿
  2. 日本頭痛学会・理事会・役員の更新について
  3. 「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」の書籍のご紹介
  4. 2015年の頭痛の日( 2月22日)のポスターのご案内
  5. 日本頭痛学会専門医受験資格要件についてのご案内
  6. 最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

【1】日本頭痛学会代表理事 鈴木則宏先生よりご寄稿

newsletter_

日本頭痛学会理事
鈴木 則宏 先生(慶応義塾大学 神経内科教授)

「2015年 新年のご挨拶」
皆様、明けましておめでとうございます。
一般社団法人化された新たな日本頭痛学会で、代議員の投票により選出された新理事を含む新たな理事会が昨年11月発足しました。その新理事会にて代表理事に選出されました鈴木則宏です。どうぞよろしくお願いいたします。1997年の学会発足より学会を牽引してこられた坂井文彦前代表理事のリーダーシップを引き継ぎ、さらに学会を発展させるべく努力する所存であります。
現在の日本頭痛学会は、会員数2000人以上の大規模となり、専門医・指導医の育成も順調に進んでおります。また、年次学術総会は年を経るごとに演題数、参加者数が漸増しており、その勢いはますます上昇気流に乗っているということができると思います。しかし、足元を見ると、学会の成長の速度と規模の成長に見合う会員管理のデータベース化などの事務局の整備、日本専門医機構による専門医制度改革に対する対応、教育施設・機関の整備、雑誌の電子ジャーナル化、国際学会での地位向上、など解決すべき課題が山積しています。これらを、一つ一つ解決し整備していくことが私の使命と考えています。
さて、昨年は学会事業として、「国際頭痛分類第3版beta版」と「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」を発刊しました。今年は、2013年に発刊した「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」の英文化の編集が進められており年内の発刊が期待されます。また、専門医委員会からは「日本頭痛学会頭痛専門医問題集」の編集企画がスタートしました。頭痛の知識の普及と頭痛専門医を全国に分布させることにより、日本の頭痛医療を均霑化させることが日本頭痛学会の使命の一つであります。頭痛専門医受験者数の伸び悩みが最近の懸案でありましたが、この企画により打開策が打ち出されればと期待しています。
昨年の下関における鈴木論保会長による第42回日本頭痛学会総会は演題数で最長不倒の記録を樹立しました。本年は11月に第43回日本頭痛学会総会が東京にて濱田潤一会長のもとで開催されます。会員のパワーが結集して一層素晴らしい会になることを確信しております。本年も皆様方のご活躍とご協力とを期待しています。

【2】日本頭痛学会・理事会・役員の更新について

第42回日本頭痛学会総会にて鈴木則宏代表理事が選出されました。新体制として理事会・役員の更新が行われましたことを、会員のみなさまにご報告申し上げます。詳細はホームページをご参照ください。
http://www.jhsnet.net/gakkai_rijikai_yakuin.html

【3】「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」の書籍のご紹介

「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」の書籍のご紹介
日本頭痛学会編集による「慢性頭痛の診療ガイドライン 市民版」が医学書院より単行本で2014年11月に発売となりました。頭痛診療医向けの「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」を患者さん向けに再編集したものです。頭痛診療医として、患者さんの説明用に、有用な書籍と考えます。ぜひ、ご購入をご検討いだだけましたら幸いです。
http://www.jhsnet.net/pdf/GL_shimin_A4.pdf

【4】2015年の頭痛の日(2月22日)のポスターのご案内

頭痛協会より2015年の頭痛の日のポスターの案内が届きましたのでご高覧ください。
頭痛協会ホームページ URL: http://www.zutsuu-kyoukai.jp/ よりダウンロードしていただけましたら幸いです。

【5】日本頭痛学会専門医受験資格要件についてのご案内

2012年(第5回)試験まで、日本頭痛学会・専門医の受験資格として日本神経学会、日本東洋医学会、日本ペインクリニック学会の専門医を有する医師の受験を認めていましたが、2013年(第6回)試験から、日本頭痛学会の定める基本領域の専門医・認定医を要件とする規定( https://www.jhsnet.net/gakkai_senmoni.html)に改訂されました。この変更により少数の特殊な経歴の会員の受験資格が認められなくなりました。しかし2012年度以前に頭痛学会に入会されました会員につきましては、暫定的に日本神経学会、日本東洋医学会、日本ペインクリニック学会の専門医も受験資格として認められるようになりましたのでご案内いたします。詳細はホームページのNews&Topics および日本頭痛学会専門医認定制度をご参照ください。

【6】最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

多発性硬化症治療薬ダルファンプリジンによる三叉神経痛の誘発
Birnbaum G, et al. Dalfampridine may activate latent trigeminal neuralgia in patients with multiple sclerosis. Neurology 2014;83:1610-1612.
掲載日:2014/12/02

慢性片頭痛患者の頭皮血管ではTRPV1発現が亢進している
Del Fiacco M, et al. TRPV1, CGRP and SP in scalp arteries of patents suffering from chronic migraine. J Neurol Neurosurg Psychiat 2014 Oct 6. pii: jnnp-2014-308813. doi: 10.1136/jnnp-2014-308813.
掲載日:2014/10/24

抗CGRP抗体ALD403の頻回な発作を有する片頭痛患者に対する予防効果
Dodick DW, et al. Safety and efficacy of ALD403, an antibody to calcitonin gene-related peptide, for the prevention of frequent episodic migraine: a randomized, double-blind, placebo-controlled, exploratory phase 2 trial. Lancet Neurol 2014;13:1100-1107.
掲載日:2014/10/24

編集後記

【日本頭痛学会 企画・広報委員会】

ニュースレターに関するご意見、お問い合わせは、<info@jhsnet.net>までお願い致します。