日本頭痛学会ニュースレター34号  (2019年 5月)

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  1. 日本頭痛学会理事 永関慶重先生より、ご寄稿
  2. Headache Master School Japan 2019(HMSJ2019) in Sendai開催のご案内
  3. 第60回日本神経学会総会、頭痛学会合同シンポジウムのご案内
  4. 第12回日本頭痛学会専門医認定試験について
  5. 北海道頭痛セミナー2019のご案内
  6. 最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

【1】日本頭痛学会理事 永関慶重先生より、ご寄稿

頭痛クリニックの現状と展望
今回、ニュースレターに寄稿させていただく機会を頂きましたので、頭痛クリニックの現状と展望について述べさせていただきます. 当院は、開院16年が経過しましたが、開院後14.5年の診療データを多角的に解析した結果をすでに報告しております(日本頭痛学会誌45:168-175,2018). その内容は、カルテベースでの頭痛患者は29,026例であり当院全体の74.2%を占め、うち、一次性頭痛は24,052例(片頭痛は15,507例、緊張型頭痛7,918例、更に群発頭痛356例、その他を含む)、二次性頭痛は4,290例で頭痛全体の14.8%でした. 頭部MRIを当初から導入し、ICHD-2/3βに準拠した正確な診断と的確な治療を目指して診療を行ってきました. 開院当初から慢性片頭痛様の連日性頭痛の治療に難渋することを実感し、その要因を明らかにすべく、「永関式頭痛問診票」や「頭痛グラフ」を開発・駆使したことにより、片頭痛に潜在するMOHや、片頭痛の共存症としての気分障害、不安障害さらには発達障害がベースにあることが判明してきました. このような症例には、従来単なる緊張型頭痛あるいは混合型頭痛として鎮痛薬主体の治療を行ってきたことは否めません. 片頭痛に共存する原因療法を行った結果、治療効果と患者満足度が上がり口コミでの受診率54%を維持しております. また、第46回総会のシンポジウムにおいて、2015年12月6日付の読売新聞に掲載された頭痛専門医の所属する「主な医療機関(病院:109、医院90)の慢性頭痛治療実績」のデータを集計・解析して発表しました. これによると全国13施設中7施設の「頭痛クリニック」が返答し、他の83医院との比較では、平均片頭痛患者数/総頭痛患者数は、1482/2275:381/773であったことから明らかに頭痛クリニックの集客力と片頭痛診断率の高さが実証されました(詳細は学会誌に報告予定). 以上より、頭痛外来では、片頭痛を見逃さない正確な診断と的確な治療を行うことが、頭痛診療の均てん化と受診率向上に繋がると考えます.
医療法人 斐水会 ながせき頭痛クリニック 永関慶重院長

【2】Headache Master School Japan 2019(HMSJ2019) in Sendai開催のご案内

今回は、テーマを「片頭痛を斬る!~令和時代の頭痛診療に向けて~」とし、新たな時代の頭痛診療に対応できる最新の知識を学べるプログラムを構成しております。 また、HMSJの開催理念のひとつである「頭痛医療の均てん化」に基づき、今年は東北地方での開催となります。 定員に達し次第、募集は締め切りとなりますので受講希望される方はお早目にご応募下さいますようお願い申し上げます。 詳細は、頭痛学会ホームページをご参照ください
http://www.jhsnet.net/information/20190408_info.html

【3】第60回日本神経学会総会、頭痛学会合同シンポジウムのご案内

令和元年、はじめての日本神経学会総会が大阪で行われます。元号が平成から改まった直後の時期でもあり、記念すべき大会です。 この大会では、頭痛学会合同シンポジウムとして5月24日金:8:00~「片頭痛病態解明への羅針盤」と題したシンポジウムも開かれます。 みなさまのご参加を心からお待ちしております。

テーマ
水の都から臨床神経学の大海原を目指して
大会長
楠 進 (近畿大学神経内科 教授)
期日
第60回日本神経学会学術大会 2019年5月22日~25日
(頭痛学会合同シンポジウム 5月24日金曜日8:00~10:30 座長 竹島多賀夫、・清水 利彦)
場訴
大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪

【4】第12回日本頭痛学会専門医認定試験について

第12回日本頭痛学会専門医認定試験を下記の要領で行います.受験を希望される方は,下記の受験資格をご確認のうえ,所定の手続きをしてください.

  1. 試験日時 2019年8月 3 日(土)10:00~16:00
  2. 試験会場 都市センターホテル東京都千代田区平河町 (地下鉄永田町駅徒歩5分)
  3. 試験方法 マークシート方式による筆記試験(200問出題)
  4. 申請書受付期日 2019年5月31日(消印有効、厳守)

詳細は、頭痛学会ホームページをご参照ください。
http://www.jhsnet.net/topics.html

【5】北海道頭痛セミナー2019のご案内

「北海道頭痛セミナー2019」を開催いたします。この会は昨年までの頭痛勉強会とは違い,製薬会社などのスポンサーは一切付かず,頭痛医療に関する研究発表や情報交換などを目的とした医療関係者の会です。 ご参加ご希望の方は,会場の収容人員に限りがありますので,参加申し込みフォームから事務局までご連絡下さい。参加申し込み締切は6月末日といたします。 詳細は、北海道頭痛セミナー2019のホームページをご参照ください。
https://www.hhs-net.jp/information/seminar/26/

【6】最近の頭痛研究トピックス(広報委員会から最新の論文をご紹介)

前兆のある片頭痛患者における神経炎症の関与
Albrecht DS, et al. Imaging of neuroinflammation in migraine with aura. A [11C]PBR28 PET/MRI study. Neurology 2019;92:e1-e3.
掲載日:2019/04/15

前庭性片頭痛患者に認められる視覚系と前庭系の相互作用の異常
Bednarczuk NF, et al. Abnormal visuo-vestibular interactions in vestibular migraine: a cross sectional study. Brain 2019 Feb 12. doi: 10.1093/brain/awy355.
掲載日:2019/03/04

片頭痛がstroke mimicsになるとき:システマティックレビュー
Terrin A, et al. When migraine mimics stroke: A systematic review Cephalalgia 2018; 38: 2068-2078
掲載日:2019/02/04

詳細は学会ホームページをご参照ください。
http://www.jhsnet.net/zutu_topics.html

【日本頭痛学会 企画・広報委員会】

ニュースレターに関するご意見,問い合わせは<jhs-office@shunkosha.com>までお願いいたします。